ベジハーブ用語集

2023-02-13 11:30:00

 

堆肥(たいひ): 堆肥とは、家畜のふんや落ち葉、木の皮(バーク)などの有機物を、微生物の力で分解・発酵させてつくる、土壌改良のための資材です。肥料とは違って、植物に直接栄養分を与えるものではないですが、栽培前に土に混ぜ込むことで、フカフカの土にする働きがあります。土は植物が根を張るための土台であり、水や空気、肥料分を供給する大事な役割を持っていて、カチカチに固まった土では水や空気がうまく供給されず、植物は元気に育つことができません。そこで、堆肥をすき込むと土の中の微生物がふえ、微生物が活発に働くようになります。微生物が有機物を分解する働きによって、土がフカフカにやわらかくなり、水や空気の通り道ができます。根がしっかりと張り、水や肥料の吸収もよくなます。堆肥には大きく分けると、植物性の堆肥と動物性の堆肥があり、前者に、腐葉土、バーク堆肥、わら、籾殻堆肥などがあり、肥料成分はあまり含まれませんが、土をフカフカにして、保水性や通気性を高めてくれます。動物性堆肥には、牛糞堆肥、鶏糞堆肥、馬糞堆肥などがあります。土をフカフカにする働きのほかに、野菜の成長に必要な栄養分も多少含み、肥料としての働きも期待できます。ただし、プランターなどで使う場合には、多少臭いがあるため、近隣の方に迷惑をかけないように要注意です。いずれにしろ、十分に完熟した堆肥を使うことです。(鶏糞堆肥は、肥料分が高いため、土壌改良剤というよりは、肥料として使うことが多いです。牛糞堆肥は効き目も穏やかなので、土作りの際に、腐葉土と一緒に畑の土などに入れると良いでしょう。

 



 直根(ちょっこん): 植物にはまっすぐと長く下に伸びていく根を持つものがあり、真っ直ぐ伸びた根が地下の深いところにある水をも吸うことができます。直根性の野菜は主根が傷ついてしまったり、十分に伸びることができなかったりすると健全な成長が難しいため、「植え替えを嫌うタイプ」が多いです。ダイコンやニンジンなどの根菜類は、タネを畑に直まきしていきます。その他にも根菜類以外にもナス・オクラ・ホウレンソウ・ハクサイ・コマツナ・ミズナ・マメ類・パセリ、トウモウロコシなども直根性の野菜です。これらは苗で植えられることもあるのですが、ポットの中で大きくなりすぎると、主根がポットの中で曲がってしまったり、老化してしまったりして、植え替えた後にうまく育たない場合があるので、できるだけ小さくても若そうな苗を選びましょう。

 

 

土寄せ(つちよせ) :野菜を育てている途中で、株元へ土を盛るようにかき寄せること。 まだ十分に根が発達していない株の倒伏防止や根の発育促進などのために行います。ネギなどは茎を白く育てるために、ジャガイモは芋に光を当てないために、落花生は、咲き終えた花の子房柄(しぼうへい)という部分がが土に潜り、その先にサヤを作ります。そのため、それを助けるために土寄せをします。

 

 

摘葉(てきよう):古い葉を摘み取る作業。美観のためと、植物の大きさを制御し、日当たりや風通しをよくするために行う。ただし、果樹などでは種類ごとに一つの果実を養うために必要な葉枚数の目安があり、それに従い葉を残します。トマトや胡瓜や、イチゴなどの果菜類などで行い、栄養生長が盛んになりすぎるのを抑え、着花(果)数を増やすなどの効果があります。

 

 

土壌改良資材(どじょうかいりょうしざい): 肥料の目的が作物に養分を与えることであるのに対して、野菜を植えるのに適した土壌をつくるために、土壌の性質を変える目的で用いられる資材です。有機質資材(堆肥全般、ピートモスなどの草炭類、油粕などの有機質肥料と、籾殻くん炭など)の炭化資材などは、土壌の通気性、透水性など物理性の改良に加え、保肥力の向上効果、微生物を活性化・多様化させる効果がみられ、土壌改良の基本となる資材です。無機質資材(ゼオライト、ペントナイトなどの鉱物や粘土系の資材、バーミキュライト、パーライトなどの鉱物を高温で焼成した資材)は主に土壌の保肥力と通気性・透水性を高めるための資材と、アルカリ性に傾いた土壌の改良のための資材に分かれます。また普通肥料に分類される石灰肥料は、アルカリ性に傾いた土壌の改良に用いるため、土壌改良資材の1つといえます。


 

 

 

 

 

2023-02-08 07:18:00

 

酸性植物 : 野菜の生育には、pH5.5 ~ pH7.0程度の弱酸性から中性の土壌が適しています。しかし、雨などの影響で何もしないままだと酸性にどんどん傾いていきます。そこで、アルカリ性の石灰質肥料(苦土石灰など)を散布して、酸度を調整するようにします。土のpHを測る専門の試薬などは大型園芸店やホームセンターなどでも売っていますが、スギナやオオバコなどが多いようであれば、その土壌は酸性に偏っている可能性が高いです。野菜の中でも、サツマイモ、トウモロコシなどは比較的酸性に強い野菜です。

 

 

 

四季咲き :一定の開花期がなく、ある程度に成長した株がある温度帯で育つことで開花する性質。年に4回の季節に開花するものを指すべきであるが、連続開花や周年開花を意味する場合にも四季咲きの用語を用いている。四季咲きの品種は特にいちごの苗等で見られる。

 

スプラウト :主に豆類や穀類、野菜の種子を発芽させ、その新芽を野菜として利用するもの。新芽を食用とするため、その種子は農薬で消毒していないものを使い、暗い場所や、薄暗い場所等で発芽させて、本葉が出る前の双葉の状態で食べる。室内で、容器と水と種さえあればできるので簡単。ただし、温度や水の管理には十分に気をつける。植物が発芽し成長を始めると、乾燥した種子の状態では存在しなかった種類のビタミンや、その他の栄養成分を自分で合成することがわかり、その栄養価が注目されている。アルファルファや大豆、そば、クレソン、マスタード、ダイコン、ブロッコリーなどの栽培が人気。

 

せ 

 

 

積算温度(せきさんおんど): 毎日の平均気温を合計したものを積算温度という。例えば、ミニトマトは花が咲いて実ができはじめてから完熟するまでの期間に必要な温度(積算温度=平均気温×日数)が 概ね1,000〜1,100℃ と決まっているので、冷夏の場合は収穫が遅れることがある。

 

 

速効性肥料(そっこうせいひりょう): 与えてからすぐに根から吸収される水溶性の肥料のことを指します。水溶性のため、潅水や雨水によって流されやすいため肥料の持続期間は1週間ほどとなります。代表的なものとして水に溶かして与える液体肥料があります。固形のものでは水溶性の化成肥料(尿素、硫安、など)があります。1週間から10日ごとに頻繁に与えることが必要なため手間はかかりますが(水やりの際に与えると楽)、与えてすぐ植物に吸収されるので、肥料効果がでやすいという利点もあります。すぐに効き目があらわれるので主に追肥の目的で使用します。

 

2023-02-04 16:01:00

緩効性肥料(かんこうせいひりょう):化学肥料の多くは速効性(早く効く)であるが、その化学的、物理的形態を変えてゆっくりと効いていくようにした肥料のことを言う。肥料の袋には、「緩効性肥料」とか「ゆっくりきく肥料」と記載されている。野菜の肥料はその成長や土の中の肥料を見極めながら段階を追って肥料を施していくが、化学肥料の場合には、特殊なコーティングなどを施して養分の溶け出す速度を制御、調整したりして肥料分が徐々に溶け出し、肥料が過分になりすぎて、野菜が逆に枯れてしまうといったことがないように工夫されている。

 



忌避剤(きひざい):カラスやモグラ、ネズミなど動物が、野菜や特定の場所、モノへ近寄らないように促す薬剤のこと。或いは、ハーブなどの植物エキス、木酢液、竹酢液など自然素材で作った自然農薬など。
大半は、虫や動物などが嫌う匂いが主成分で、その成分は、忌避剤として使う限り、「農薬取締法」の対象外で農薬ではなく、あくまでも予防的に用いる。

 

くん炭(くんたん)もみ殻(お米を精米するときに取れる外側の皮)や木くずを、400度以下の低温でじっくりと蒸し焼きにしたもの。土壌改良剤として使われます。高温で焼かれることにより、腐生性微生物の餌となる有機物を一切含まず、細菌やかびの繁殖を抑えることができる。それ以外にも、保水性・排水性・通気性の向上や消臭効果などさまざまなメリットがある。腐敗臭に誘引されるコガネムシやカブラヤガ(ネキリムシ)を忌避するためには、野菜類の定植後、土壌表面に散布するのにも効果的。

 

嫌光性種子(けんこうせいしゅし)タネには太陽光線が嫌いなタネと光が好きなタネがあり、暗い方が発芽しやすいものを嫌光性種子という。多くのウリ科植物や、トマト・ナス・ダイコン・タマネギ、ニラ、唐辛子など。土に2〜3センチの穴や筋をあけ、そこにタネをまいて覆土(土を被せる)します。タネのサイズや品種によって穴の深さや覆土の厚さは変わります。深くまきすぎても発芽を妨げることがあるので注意。

     



    好光性種子(こうこうせいしゅし) :発芽のために光を必要とする趣旨で、比較的小さい種が多い。まいた後は、土を被さないか或いは、薄く土を被せるようにする。手のひら等で撒いた後で、上から軽く叩き、土と密着させるのも効果的。好光性種子には、レタス、ごぼう、シュンギク、ニンジン、ミツバ、セルリー、シソ、アブラナ属の野菜(キャベツ、ブロッコリー、カブ、コマツナ、チンゲンサイ、など)がある。

     

    2023-02-03 00:00:00


    アントシアニン:植物の花や果実の皮などに含まれる色素のひとつで、植物が紫外線など有害な光から実を守るために蓄えられる青紫色の天然色素。ポリフェノールの一種であり、ブルーベリー、ナス、紫芋などに多く含まれる。視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果があるとされている。「アントシアニン」は、熱に非常に強い成分で、加熱調理しても成分の質は変わらず、効能はそのままです。ただ、加熱することでせっかくのきれいな色があせてきてしまうので、色を楽しみたいなら、さっとゆでる、炒める程度にしましょう。特にゆでる場合は、紫の色素が水へどんどん溶け出てしまうので工夫が必要。蒸したり、電子レンジで手早く加熱するのが有効です。またアルカリ性の食べ物(卵白やこんにゃくなど)と組み合わせると色が青色に変化してしまいます。酸性のものと合わせると赤色になるので酢やレモン汁で色どめして調理したり、マリネにするのもおすすめ。

     


    育苗(いくびょう) :プランターなどに直接種をまいて育てるのではなく、別の場所(ベランダや室内、温室など)で播種(種まき)し、プランターなどに移植できる大きさまで育てること。環境を整備して育てることによって、雨風や気温といった自然の影響を受けにくくなり、丈夫で良い苗を作ることができる。種には個体差があるため、すべての種が発芽するわけではなく、発芽したものがすべて健全に育つとは限りません。育苗をすることで、素性の良い種子から育った苗のみを選別して植え付けることができます。移植する前にある程度大きく育てておくことで、雑草よりも生育が早くなり、草に負けにくくなるというメリットもある。

     


    畝(うね)畑に野菜の種を撒いたり、苗を植え付けるためのベッドの役割をするのが「畝(うね)」。畝を作ることを「畝立て」と言い、畑での野菜づくりの基本作業。畝を作る一番の理由は「水はけをよくすること」。野菜は水はけのよい土壌を好むので、平らな場所より一定の高さと幅を持たせた畝を作ることによって、根が水につかって根腐れしてしまう危険性を減らすことができる。また、野菜が根を張る「作土層」を深くすることができるので、大根のように根を長く伸ばす野菜なども栽培できる。

    但し、プランター栽培の場合には、畝を作るほどの十分なスペースはないが、横一列に、種類の違う葉野菜を作る際には、区別ができるように、また間引きの際に残った芽を自立させるために、また水やりの際に、葉っぱに水がかからないように小さめの畝(溝)を作りそこに水をあげるのにも活用できる。大根等の根っこを食べる野菜、根が深く伸びる野菜は、深さのあるプランターや袋栽培を選ぶと良い。

     


    エディブルフラワー鑑賞する花とは違い、食用に生産、利用される花のこと。ナバナやカリフラワーなどは蕾の頃に食べる野菜で一般的だが、キクやサクラなども古くから食用に利用され、「食べられる花」として食べられてきた。最近では、料理の盛り付けに添えたり、サラダやお菓子などにも利用され、パンジー、キンギョソウ、プリムラなど食用花の生産が盛んになっている。また、それぞれ、種類によって味や香りが違い、楽しむことができる。
    ただし、花類には中には有毒のものもあるため、安易に口に入れることを注意しなければならない。


    オンシツコナジラミ
    カメムシ目コナジラミ上科コナジラミ科の一種で野菜・観葉植物・果樹・庭木などの葉や花など様々な植物に寄生する害虫です。成虫の体長は雄が約1㎜、雌が約1.2㎜と雌のほうが少し大きく全体は白色。主に植物の葉の裏で生活しているため、水やりや手が触れた際にふわっと飛びます。平均気温20℃前後の比較的低温を好み、この時期に盛んに繁殖を繰り返します。幼虫や蛹の時期をほとんどを葉裏に寄生し植物の汁を吸って生活しています。植物から吸汁するときにキュウリ黄化えそウイルスを媒介することがあります。被害にあった葉は緑葉素が抜け、白いかすり状の症状が出て葉っぱが枯れてしまいます。オンシツコナジラミの排泄物がウイルスの媒介になり、すす病が発生するおそれがあります。すす病とは、すす病菌(糸状菌というカビ)が植物の上で増殖することで発症。葉や幹が黒色のすすで覆われたようになり植物の美しさが損なわれるだけではなく、光合成や葉の蒸散の妨げになるため、植物が枯れる場合があります。高温多湿の環境で発生しやすく、露地では梅雨時から秋雨まで湿度が高くなるとき注意が必要になります。トマトやナスなどのナス科、キュウリやメロンなどのウリ科、シソ科のハーブ類は発生しやすいため要注意です。

     

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